これまでに10機種以上のミニPCを実機テストし、自身も3年半以上にわたりミニPCをメインPCとして使用(このサイトもミニPCで制作)している私が、「買ってはいけない」ミニPCの特徴をまとめます。

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買ってはいけないミニPCの特徴

身元不明のメーカー・販売元のミニPC

販売元や製造元のメーカーが「信頼」できないミニPCには、以下で挙げる「リスク」が存在します。本体価格はその分、国内メーカーや海外有名メーカーの商品よりだいぶ安いことが多いですが、特に初心者・中級者の方にはおすすめしません。

以下、「身元不明」のメーカー・販売元のミニPCを購入するリスクを詳しく解説します。

途中で使用不能に。ボリュームライセンスという罠

Windowsにはボリュームライセンスと呼ばれる種類のライセンスが存在します。本来はこのボリュームライセンスのWindowsをインストールしたPCを販売してはいけない(ライセンス違反)のですが、大手通販サイト等ではボリュームライセンスがインストールされたミニPCが多数販売されていることが以前から指摘されています。

ボリュームライセンスをインストールしてPCを販売することはMicrosoftのルールに反するため、購入後にWindowsが使用不能になるリスクがあります。

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故障したら終わり サポート体制に不安

PCは長く使うものです。長く使っていると故障することもあるでしょう。

国内外の主要なメーカーの多くはサポートセンターを持ち、故障したPCの修理拠点も国内にしっかり展開しています。マウスコンピューターのように24時間・365日の電話サポートを提供し、サポート体制をウリにしているメーカーもあります。

大手通販サイトなどで販売されている無名のメーカーや販売店が販売しているミニPCには、そのようなサポートは期待できません。製造拠点は中国にあり、日本国内にアフターサービスの拠点が無い場合もありますし、そもそも購入して1年後にはその販売店・メーカーが存在しているかも分かりません。

スパイウェアなどセキュリティリスクも

通信機器は高度な個人情報を膨大に取り扱うものです。セキュリティリスクについても注意すべき点といえます。

また、中国には国家情報法という法律があり、政府の命令で中国企業や国民が諜報活動に協力することが義務付けられています。このような背景から携帯電話の基地局や光回線を始めとする通信ネットワークから中国製の機器が排除されつつあります。

個人使用のPC程度なら問題無いだろうと考える人もいるかもしれませんが、例えばサイバー攻撃を行う際の踏み台にされるリスクや、あるいはPCが使用不能になるだけでも生活に支障をきたすでしょう。

電波法違反になるケースも

日本国内で使用するPCやスマホなど通信機器には「技適」と呼ばれる認証が必要です。技適認証の無いPCを使用すると電波法違反となります。最大で懲役1年、または最大100万円の罰金が課せられます。

私が過去にAmazonで購入したスティックPCの中には技適マークの無いものがありました。現在は使用をやめ、既に時効を迎えているので詳しく書くと購入後1年以上経過してからAmazonから連絡があり、技適認証が無いことが分かりました。

冷却ファンの音が不快な機種

過去に多くのミニPCを実機レビューした中で、不満に感じることがしばしばあったのが冷却ファンの「音」です。

ミニPCの中にはかなり静音でストレス無く使える機種(例えばツクモMSシリーズ)もあれば、逆にファンの音が大きい(現在メインPCとして使用しているマウスCAシリーズ)ものや、風切音の中に不快な高音が混ざるものも一部存在します。

実機レビューやユーザーレビューなどで要確認のポイントです。

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OSがインストールされていない(上級者除く)

上級者の方があえて選ぶなら問題はありませんが、Amazonなどで販売されているミニPCの中にはOSがインストールされていない状態で販売されているものがあります。ご自身でWindowsやChrome OSなどをインストールしてカスタマイズしたい人向けの商品です。

最近はOSインストール済みのものが検索画面などに多く表示されるようになっていますが、以前はOS未インストールのミニPCの方が多く表示されていた時代もありました。誤ってOS未インストールのものを購入してしまい、自分で苦戦しながらインストールしたという声を耳にしたこともありますし、自分自身で購入する際に「これってOS入ってるよね・・?」と不安を抱えながら注文した経験もあります。

納期が長すぎるもの

納得して購入するなら問題はありませんが、ミニPCの中には納期が数週間掛かるものがあります。

中国メーカーのBTO(注文を受けて組み立てを行うもの)が納期が長い傾向があります。注文を受けて中国の工場で組み立て、船便で数日かけて日本の港まで運び、更に日本国内での移動も・・となると3週間前後掛かる場合もあります。また、国内メーカーであっても部材の仕入れなどの都合で納期が長くなるケースもあります。故障などですぐにPCが必要だという場合は、組み立て済み・国内在庫の短納期のPCを探すことをおすすめします。

信頼できるミニPCを比較できます

ミニPCの性能を見やすい一覧比較表で比較できます。

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