日本でもウェブを中心にミニPCの販売を行っているGEEKOMのメリット・デメリットを、国内外の他ブランドと比較しながら解説します。

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GEEKOMとは

GEEKOMのメリット

価格がかなり安い

GEEKOMのミニPCは国内外メーカーのミニPCと比較してもかなり安価です。家庭用PCとして快適に使えるスペックのミニPCが5万円前後で買えることもあり、これは国内の信頼できるメーカーの同等製品の半額です。

また、家電量販店などでも取り扱いがある中国のミニPC専業メーカーMinisforumと比較しても、GEEKOMの方がやや安い傾向があります。自作PCを作る方がGEEKOMのPCを部品取り目的で買うという話もあるほどです。

ミニPCの中でも「小さい」

GEEKOMのミニPCは他社のミニPCと比較してより一層、本体のサイズが小さい傾向にあります。かつてミニPCの定番だったIntelのNUCというミニPCシリーズがありましたが、概ねNUCを踏襲したサイズ感のモデルが多いです。小ささにとことんこだわりたい方に最適です。

本体が小さなミニPCの中には冷却ファンの音が大きかったり、音が不快なものが過去にありましたがGEEKOMのミニPCについては特にそのような評価も無く、静音性もしっかりしています。

技適認証取得 国内で使っても「適法」

ネットで販売されている海外製ミニPCの中には日本で使用するのに必要な「技適」の認証を受けていないものが見受けられます。技適の認証を受けていない通信機器を国内で使用すると電波法違反となり、使用者が罪に問われるリスクがあります。

GEEKOMについては適切に技適認証を受けていることが公式サイトにも記載されており、またネット上のレビューなどにも技適マークが付されている画像が多く見受けられるため適切な対応が行われているようです。

GEEKOMのデメリット

中国メーカー製

GEEKOMは中国・深センの企業です。台湾で創業、研究開発拠点を持つと日本語版公式サイトに記載がありますが、米国版公式サイトには「GEEKOM brand belongs to Shenzhen Jiteng Network Technology Co., Ltd」と記載されており深センの企業のブランドであることが分かります。

昨今、ファーウェイを始め、中国メーカーの情報機器が米国や日本国内から排除される傾向が強まっています。

中国には国家情報法という法律があり、中国の人民や企業は政府の指示に従い情報活動に協力する義務があります。中国政府は否定していますが、この法律を根拠に中国メーカー製の製品を通じて情報が吸い取られることが西側諸国で懸念されています。

サポート体制が主要メーカーより弱い

主要なPCメーカーではサポート体制にも力を入れています。例えばマウスコンピューターは24時間・365日の電話サポートを提供しており、私も何度も利用していますが修理の手配なども迅速に対応してくれます。

一方、GEEKOMは電話サポートは提供しておらず、メールとチャットサポートのみ。国内には修理拠点を持っていますが主要PCメーカーと比較するとサポート面が弱いと言えます。

信頼性は未知数

Twitterなどで検索しても故障したという声が溢れているわけではないので、工業製品として最低限の信頼性は確保されていると言えますが、いかんせん価格が価格なので長期間使用し続けた場合の信頼性は国内外の主要メーカーと比較して未知数な部分があります。

伝統的なPCメーカーは長年の蓄積の中で、故障した部品の情報を豊富に蓄積しています。故障が多いものは調達から外されていくため、信頼性が高いです。GEEKOMのような新興のメーカーではそのようなデータの蓄積が伝統的なメーカーと比較して豊富とは言えません(GEEKOMは2003年創業なので新興と言えるか微妙なところですが、国内PCメーカーは平成初期以前からPCを販売しているところが多い)

したがって、サブPCや上級者ユーザー向けと言えます。

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