
過去に10機種以上のスティックPCの実機テストを行い、「これはダメだ」と感じたモノがありました。そんな「使い物にならない」スティックPCの特徴をまとめます。
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買ってはいけないスティックPCの特徴
冷却ファンレス・プラスチック製筐体
最初期のスティックPCの中には、冷却ファンの無いものがありました。無音で使える点はメリットと言えますが、ファンが無いスティックPCで本体がプラスチック製だと「使い物にならない」レベルでひどいものでした。
起動して30分も経たない間に本体はかなり熱くなり、熱さの影響でCPUの動作周波数は最大で0.37GHz程度と、本来のスペックである1.33GHzから大幅に低下し、処理性能が大きく低下しました。
当時で約1万円で購入できる低価格機であり、元々の性能が低いのに熱さのせいで更に性能が低下し、ネットを閲覧することさえ困難な状況となりました(フリーズしっぱなし)

↑使い物にならなかったヤツ
なお、このスティックPCの後継機種とした登場したスティックPCは同じく本体がプラスチック製でしたが冷却ファンが搭載されたことで、熱による性能低下は見られませんでした。また、同等スペックでファンレス・金属製の筐体のスティックPCもテストしたことがありましたが、こちらも問題はありませんでした。スティック型ではありませんが、小さなお弁当箱サイズのファンレス・プラスチック製のミニPC(タブレット級性能のAndroid機)も問題無く使えました。
ファンレスでプラスチック製筐体は「最悪」という結論です。
メモリー2GB
スティックPCのブームがあった2015年当時は2GBでも軽めのネットサーフィンなどは「出来なくはない」レベルでした。しかしあれから10年が経ち、ネット環境も年々ヘビーになっており、2025年現在において2GBのスティックPCは軽くネットサーフィンをすることさえ難しいです。
子供に使わせるため、2015年に購入したメモリー2GBのスティックPCを引っ張り出して久しぶりに起動してみましたが、当時使っていた頃よりも「厳しい」と感じました。より軽量に動作するChrome OSであればギリギリ実用に耐えうるかもしれませんがWindowsでメモリー2GBは今の時代避けた方がよいです。
そもそもWindows11の最低ラインが4GBなので、Windows11を動かすことさえ出来ません。
Amazonなどで売ってる怪しいヤツ全般
販売元やメーカーが不明なものは、スティックPCに限らずPC全般では避けた方がいいです。
特にスティックPCやミニPCでは、ボリュームライセンスと呼ばれる種類のWindowsがインストールされたものが販売されている話をよく耳にします。ボリュームライセンスをインストールしたPCを販売することは許諾違反となり、ライセンスが停止されWindowsを使用出来なくなるケースもあります。安物買いの銭失いです。

また、スパイウェアの混入などセキュリティリスクも否定できないため、信頼できないメーカーや販路から購入することは避けるべきです。
関連記事:中華ミニPCに多いボリュームライセンスとは?使用不能のリスクも?
10年前の売れ残り全般
Amazonなどで調べると、2015年頃のスティックPCブームの頃に発売されたモデルが10年の時を経てもなお、新品として販売されています。メーカーではとっくに廃盤扱いなので、当時の売れ残りでしょう。
上で紹介した「メモリー2GB」にも通ずる話ですが、2015年のスティックPCは実用的に使える性能ではありません。加えて性能面だけでなく、搭載しているのが既にセキュリティアップデートも終了しているWindows8.1や2025年10月にサポート終了するWindows10なので、使用するとセキュリティ上の問題もあります。
スティックPCの比較はこちら
ブームが去って新製品の発売も途絶え気味ではありますが、スティックPCを見やすい一覧の比較表で比較できます。
収束しつつあるスティックPCに対し、ミニPCはこの数年で徐々に盛り上がりを見せています。本体の大きさではスティックPCに劣るものの、メーカーによってはスティックPCと同等水準の価格で買えるものもあります。