ミニPCにセキュリティソフトは必要なのか。セキュリティソフトのレビューサイトを2007年から運営している私が、最新情報をふまえて解説します。

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私の自己紹介

まず始めに私の自己紹介をします。

高校1年生だった2007年の冬休みにセキュリティソフトのレビューサイト「セキュリティソフト比較サイト」の運営を開始し、現在に至ります。セキュリティのレビューサイトとしては日本では最古参のサイトで、各社の製品発表会にご招待いただいたりメーカーにお呼ばれして本社で開発担当の方も交えてお話する機会も以前はよくありました。

ちなみに当「ミニPCの比較サイト」は元々はセキュリティソフト比較サイトの一コンテンツとして2015年頃から公開を始めたもので、2019年にスピンオフさせました。そんな私が最新情報をもとに解説します。

セキュリティソフトは必要か 最新情報は

家庭向けなら基本的に必要無い

結論として、一般家庭で使うPCであればセキュリティソフトの導入は必要ありません。

Windowsには標準機能としてWindows Defenderというウイルス対策機能があります。この機能が導入された2012年当初はウイルス検出率が低く、この機能に頼ることは安全とは言えない状況でした。

しかし2017年頃から各種ウイルス検出率テストで有料のセキュリティソフトと肩を並べる結果を残すようになり、現在は有料のセキュリティソフトと遜色ないウイルス検出性能をほこります。

詳細:ウイルス検出率のランキング

したがって、現在は家庭向けのPCでお金を払ってセキュリティソフトを導入する必要性は低いと言えます。

ウイルス対策以外の機能も・・

市販の「セキュリティソフト」にはウイルス対策以外にも、フィッシング詐欺対策機能やネットバンキング保護など様々な機能があります。ですがブラウザにもフィッシング詐欺対策機能がありますし、セキュリティソフトのフィッシング詐欺対策機能でも全てを検知出来るわけでは全くない(実機テストで確認済み)ので、そこにお金を掛ける必要性は低いです。

セキュリティソフトが必要なケースは?

セキュリティソフトが必要なケースも無いわけではありません。

勤め先などから導入を課せられている場合

プライベートなPCを仕事で使う方はあまり多くないかもしれませんが、業務用のPCで勤め先から「セキュリティソフト」の導入をルールで課せられている場合は、そのルールに従いセキュリティソフトを導入する必要があるでしょう。

コロナ禍の最初期、2020年春はセキュリティソフトの売れ行きが爆増しましたが、おそらくテレワーク環境の整備が間に合わず家庭のPCでテレワークをした人たちが、勤め先からセキュリティソフトの導入を求められたのだと思います。

外出先でWiFiに接続するならVPNを

外出先でフリーWiFiを利用する機会がある場合は、VPNの導入を強く推奨します。

フリーWiFiでの通信は、フリーWiFiを提供している人やあるいは周囲で電波を傍受している人に通信内容を盗み見られたり、改ざんされる恐れがあります。空港のフリーWiFiに偽装した偽のフリーWiFiアクセスポイントを設置するような手口もあり、実はセキュリティ上のリスクが高いです。

VPNを利用することで、通信内容そのものを暗号化することができます。電波を傍受されたり、あるいは危険なフリーWiFiに接続しても通信内容を秘匿することが出来るため、安全に通信を行うことが出来ます。

PCやスマホにVPNをインストールし、ソフトを立ち上げてオン/オフすれば簡単に使うことが出来ます。セキュリティソフトに課金するよりもこちらの方が圧倒的に費用対効果は良いので、フリーWiFiに接続するPCやスマホにはVPNの導入を推奨します。

VPNは以下の姉妹サイトで詳しく紹介しています。

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Windows Defenderにも弱点はある

一般家庭用途のPCであればお金を払ってセキュリティソフトを導入する必要性は「無い」と言えますが、Windows Defenderにも弱点はあります。

世界中の多くのユーザーがWindowsd Defenderを利用しており、調査により数字が異なりますが4分の1程度のWindowsがWindows Defenderに頼ったセキュリティを行っています。シェア1位の「セキュリティソフト」です。

当然、攻撃者は最低でもWindows Defenderを突破できる攻撃を行う必要があります。ウイルス作成の現場でも多くの攻撃者がWindows Defenderで検証を行っているはずなので、他のセキュリティソフトで検知出来てもWindows Defenderには検知できないものが一定以上存在します。

逆にウイルスバスターなど他のセキュリティソフトに検知出来ず、Windows Defenderには検知できるということも起こり得るわけですが、「シェア1位」であるが故のリスクは認識しておくべきです。

もっとも、各種性能試験で高い検出性能を誇っているので、安くない金額を払ってまで他のセキュリティソフトを導入することは費用対効果の面で釣り合わないと思います。

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