Chrome OSを搭載したミニPC、Chromeboxのメリット・デメリットを、実際にChrome OS搭載PCを使っていた経験がある私が解説します。
Chromeboxとは
Googleが開発したChrome OSというOSを搭載したミニPCです。
2014年頃にChrome OS搭載ノートPCが次々と発売され、私も数機種購入して実機レビューを別サイトにアップしていた時期がありましたが、一般向けには定着したとは言い難いです。当時、「Chromebook 比較」とGoogleで検索すると私のレビュー記事が上位に表示されていましたが、見てくださる方が思うように増えず更新を打ち切りました。
とはいえ学校などの教育機関向けには一定のシェアを獲得しており、また現在もわずかではありますがPCメーカーからChrome OS搭載PCが発売されています。WindowsやMacの間のニッチな市場の需要を獲得しています。
Chromeboxのメリット
動作が軽量 だから低価格機でもサクサク動く
私がレビュー用に購入したChrome OSを搭載したノートPCは、いずれも3万円前後という低価格でした。当時も今も、Windows搭載で3万円前後のノートPCでは軽いネットサーフィンのような作業でも動作がカクカクとしてしまい、快適に使えるPCではありません。
ところがどっこい。Chrome OS搭載だと3万円以下という低価格でも、ネットサーフィンがスイスイと出来てしまいました。当時、ブラウザでGoogle Spreadsheetを開いて文章作成などを行っていましたが、フリーズしてしまうことは全く無く、ちゃんと使うことが出来ていました。
低価格でもちゃんと「使える」ということは、その分「安く買える」ということと同義です。Windows PCであれば8万円以上出さないと手に入らない動作感(ネットサーフィンなどの軽作業時)が、Chrome OSでは半額で手に入るようなイメージです。
Androidアプリを使える
Chrome OSではAndroidアプリが動作します。Androidの公式のアプリストア(Play)からアプリを入手し、インストールして使用することが出来ます。
Chrome OS用のアプリは今も昔も、充実しているとは到底言い難く、その点はChrome OSの使いづらさと直結する部分でもありますが、Androidアプリが利用できることは逆転ホームランと言えるでしょう。
多くのライトユーザーのニーズを満たせる
Chrome OSはブラウザとAndroidアプリが使えるだけのパソコン、とイメージするのが妥当です。WindowsのPCと比較すると、出来ることの幅が狭いことは否めないです。
しかし多くのライトユーザーの家庭でのパソコンの利用は、ブラウザを開いてネットサーフィンを行ったり、動画鑑賞やGmailでメールの送受信を行うといったものでしょう。そのような使い方であれば、Chrome OSでも問題無く対応できます。
セキュリティソフト(ウイルス対策)が不要
Chrome OSはセキュリティが高いこと、また普及率が低く犯罪者の標的になりづらいことから、セキュリティソフト(ウイルス対策)の必要がありません。
Chromeboxのデメリット
Windowsとは使い方が異なる 若干の慣れが必要
操作方法がWindowsとは若干異なる部分があったり、設定画面などはWindowsと全く異なるため「慣れ」が必要な部分もあります。
ただし、設定画面などはWindowsと比較してかなりシンプルなので、その点は初心者向きと言えます。「パソコン」よりも「スマホ」に近いです。
Windows用のソフトなどが使えない
Chrome OS上ではWindowsのソフトは動作しません(Windowsを同じPCにインストールするなどの特殊な動作は除きます)
WindowsPCで使っていた一部周辺機器が、Chrome OSでは使えないということもありえる話です。私がChrome OSのPCを使っていた時に一番の課題だった点はプリンターとの接続です。
Chromeboxのおすすめの利用シーン
「ブラウザしか使わない」ならおすすめ
ブラウザしか使わないライトユーザーであれば、これまでWindowsのパソコンで出来ていたことのほぼ全てがChromeboxでも行うことができ、また価格も圧倒的に安上がりです。
例えばこれまでメールソフトを使ってメールを送受信していたのを、Gmailで送受信する形に切り替える(メアドはそのまま引き継ぐことも可能です)などの対応を行うことで、多くのライトなPCユーザーはChromeboxへの移行が可能と言えます。
ネットサーフィンと動画鑑賞と、メールの送受信程度の利用で10万円以上するWindows PCを使うことは、アルファードに乗って車で10分のスーパーに行くようなものです。車で10分のスーパーに行き来するだけなら、軽自動車やコンパクトカーで十分です。むしろ、スーパーに行くだけなのに大きなミニバンでは運転にストレスを感じる場面もあるでしょう。小さなChromeboxはライトユーザーにとって軽自動車のような存在だと思います。