サイコムのミニPC、SPXシリーズのメリット・デメリット、機種一覧を解説します。
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サイコムSPXシリーズのメリット
CPUのバリエーションが豊富 軽ゲーミングにも
サイコムのミニPC、SPXシリーズはCPUが豊富です。用途にあった性能のPCを選ぶことができる点が、他社には無いメリットです。
記事執筆時点で、当サイトで掲載している国内PCメーカー6社のミニPCの中で、intelとAMDのCPUを両方とも取り扱っているのはサイコムだけです。加えて他の国内PCメーカーではミニPC向けに採用していないハイエンドなCPUを選べるのもサイコムSPXシリーズのメリットです。
ヘビーでないゲームを快適にプレイできる(FF15などヘビーなゲームはHD画質・標準品質まで下げればプレイできる)CPUを選べるのもサイコムのミニPCならではの特徴と言えます。
国内メーカー・国内製造
サイコムは埼玉県八潮市に本社・工場を置く国内のBTOのPCメーカーです。八潮(やしお)と言われても関東在住の方でもあまりピンと来ないかもしれませんが、東京都足立区に隣接している「東京寄りの埼玉」です。住宅と畑に囲まれた地域にきれいな社屋を構えています。
昨今、中国製の情報機器への懸念が高まっています。サイコムは1999年創業の国内PCメーカーなので、そのような心配が無い点はメリットと言えるでしょう。
また配送に時間が掛かる海外メーカーよりも納期が短い点もメリットです。
サイコムSPXシリーズのデメリット
サポートが平日のみ
他社では土日祝もサポートセンターが動いているところも多いですが、サイコムのサポートは平日のみです。土日にトラブルが発生した時には平日になるまで待つ必要があります。
質についてはSNSを検索しても特に問題は見られないものの、受付時間が短い点はデメリットと言えるでしょう。
サイコムSPXシリーズのスペック一覧
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CPU
豊富なCPUから選択することが出来ます。記事執筆時点で選べるCPUとPassmarkのベンチマークテストのスコアをまとめます。
CPU | グラフィックス | |
---|---|---|
Core i3-14100 家庭用ベーシック(ゲーム無) | 15103 | 1583 |
Core i5-14400 家庭用上級(ゲーム無) 事務仕事用 | 26606 | 1583 |
Core i5-14500 | 32277 | 1887 |
Core i5-13600T | 26997 | 1887 |
Core i5-14500T | 23978 | 1887 |
Core i7-13700T | 27924 | 1887 |
Core i7-14700 | 47055 | 1887 |
Core i9-14900T | 39391 | 1887 |
Ryzen 5 7600 家庭用上級(ゲーム無) 事務仕事用 | 27095 | 1833 |
Ryzen 7 7700 | 34619 | 1694 |
Ryzen 9 7900 | 48694 | 2129 |
Ryzen 5 8600G 軽ゲーミング | 25389 | 5815 |
Ryzen 7 8700G 軽ゲーミング | 31813 | 7051 |
CPUのベンチマークスコアはゲームをプレイしない一般家庭のPCでは1万台前半あれば十分快適に動作します。その点、サイコムのミニPCはゲームをプレイしない一般家庭用には「オーバースペック」と言えます。なお私はCPUベンチ10926の他社ミニPCでこのサイトを制作しています。
グラフィックスのベンチスコアについては、1500前後が「普通に快適に使えるPC」の水準です。この「普通」というのはゲームをプレイしない場合の水準感です。なお私がこのサイトの制作に使用しているミニPCのスコアは1818で、このPCでPhotoshopや動画編集も行っています。
ゲームをプレイするのであればRyzen 7 8700Gがおすすめです。一昔前のグラボ並のGPU性能(GeForce GTX 1650級)と言われており、ヘビーでないゲームを快適にプレイできる性能です。ヘビーなゲーム(FF15など)はHD画質・標準画質まで落とせばプレイはできるようです。参考までに、RTX 4060のスコアは19738なので最新のグラボと比較するとCPU内蔵GPUは見劣りするものの、ヘビーなゲームをプレイしなければCPU内蔵GPUでハイスペックなものを選んだ方が低コスト・省スペースです。
メモリー
16~64GBから選択できます。目安は以下のとおり。
メモリー | 目安 |
---|---|
16GB | 家庭用PCにおすすめ (ゲームはプレイしない) |
32GB | 仕事用PCにおすすめ 軽ゲーミングPCにも |
64GB | 多くの場合過剰 |
他社では4GBや8GBも選ぶことが出来ますが、4GBは家庭用PCとしても論外として5年先まで快適に使うことを考えると16GBを最低ラインとして検討すべきです。必要水準は年々切り上がっていくので、長く使うのであれば少し余裕があった方がいいです。
私はメモリー16GBのミニPCでこのサイトを制作していますが、ブラウザでタブを15以上開き、Photoshopを編集しながらEXCELを参照し、YoutubeでBGMを流すとメモリーが不足することがあり不足感を感じることがあります。仕事用で使うPCには32GBがおすすめです。
2030年頃にはメモリー64GBが推奨水準になっている可能性もありますが、現状では基本的に64GBは多くの場合「オーバースペック」です。
ストレージ(SSD/HDD)
サイコムSPXシリーズではメインストレージはSSDとなりますが、DドライブではHDDを追加することができます。HDDはSSDより読み・書きの速度が低速、かすかな動作音がするというデメリットはあるものの、容量あたりの価格がSSDと比較して圧倒的に安価です。
大量のデータを保存する場合は、追加ドライブで大容量のHDDを追加することをおすすめします。