Stable Diffusion(NMKD Stable Diffusion GUI)をグラフィックボード無しのRyzen 5 4500UのミニPCで使ってみた結果をまとめます。

NMKD Stable Diffusion GUIを使ってみた結果

作業環境

  • Ryzen 5 4500U
  • メモリー16GB
  • グラフィックボード無し(CPU内蔵GPU)

上記スペックのミニPC「Mouse CA」でこの2週間ほどNMKD Stable Diffusion GUIを使って画像生成を繰り返してみたので、その結果をまとめます。

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画像生成は「できる」

結論から言えば、このスペックのミニPCでも画像生成は「できます」 実際、この2週間毎日画像生成を行っており、画像生成は出来ています。実際にMouse CT6で生成した画像はこの記事の最後に付けておきます。

「できる」が物凄く時間が掛かる

  • 512×768サイズ
  • Steps40 Scale11
  • Sampler:DDIM

上記の条件で画像を生成するのに掛かった時間は以下の通り。

  • 1枚目 1308秒
  • 2枚目 1285秒

約22分という結果です。1枚生成するのに22分掛かります。寝る前に「Generate」ボタンを押して、朝起きるまでに仕上がる画像はわずか20枚程度です。

私はStable Diffusionをローカル環境で使う前に約2ヶ月ほど、NovelAI(Web版)に課金して大量の画像生成を繰り返してきました。NovelAIはボタンを押せば5秒前後で画像が生成されるので、1枚20分以上というのは本当に雲泥の差だなと感じるところです。

この生成スピードだと、プロンプト(呪文)を色々と工夫しながら試行錯誤するのも正直難しいと感じるところです。

ちなみに、Ryzen 5 5560U・メモリー16GBのノートPCでも並行して画像生成していますが、こちらでは1枚生成するのに25分前後掛かっています。

温度・使用感など

画像生成中に更にネットサーフィンやこの記事の作成作業を並行して行った場合、CPUの温度は89度、内蔵GPUの温度も80度近くまで上昇します。

CPUの使用率はほぼ100%で張り付いたまま、冷却ファンもフル回転で動き続けます。正直、PCにはかなり良くない使い方のように思います。

ちなみに画像生成中でもネットサーフィンなどの作業は「ほぼ」平常通り並行して行うことが出来ます。

今回生成した画像

アップコンバート無し、出力された画像そのままです。クオリティは高いと思いますが、1枚22分掛かって生成できると考えると、なかなか厳しい部分もあります。

音声生成は?

COEIROINKという音声生成AIも最近利用していますが、これに関してはグラボ無しのRyzen5 U4500でもサクサク動いており、何ら問題なく使用できています。グラボ搭載の方が間違いなく、より高速に生成できるとは思いますが。

対策は?

Google colab無料版は使えなくなった

Google colabというウェブサービスを利用すると、クラウド上でGPUでの処理を利用することができます。Stable DiffusionもGoogle colab上で利用すればサクサクと画像生成することが出来ていましたが、残念ながら2023年4月から少なくとも無料版Google colabでのStable Diffusionの利用は制限されてしまいました。

クラウドサービスの利用が簡単・お得

RunDiffusionというクラウドのAI生成サービスを利用すると、Stable Diffusionの「Automatic1111 WebUI」を1時間あたり0.5ドルからという金額で利用することが出来ます。初めてチャレンジする場合は最安の「Small」プランで試してみるのがおすすめです。

難しいインストールの手間も無いので、AI画像生成としてはかなり「やさしい」サービスだと思います。

ガッツリやるならRTX3060搭載デスクトップPCを買うのがおすすめ

私も過去にGoogle Colabに課金してStable Diffusionを使ったことがありますが、クレジットがゴリゴリ減っていくのでお金が溶けていく感がありました。本格的にStable Diffusionなどの、AIによる画像生成や今後AIによる動画や音声生成をやってみたいという人は、グラボ搭載の高性能なゲーミングPCを購入することをおすすめします。

画像生成AIを使う場合、RTX3060のコスパが良いとされています。RTX3060はメモリーが12GBと大きく、画像生成に適したグラボです。512×768サイズを生成するのに約5秒程度で生成できるようです。22分かかるグラボ無しのCPUとは桁が2つ違います。

メモリー12GBのRTX3060搭載のデスクトップPC(当サイトとしては残念ですがミニPCでないもの)を選びましょう。「RTX3060」でもノートPCなどではメモリーが8GBの場合があるので注意してください。RTX3060Tiになると価格が高くなるので、無印の3060がおすすめです。