中国製の電子機器への懸念が世界的に高まり、政府やインフラ企業の調達から除外される動きが強まっています。中華メーカーが目立ちがちなミニPC界隈では、どのメーカーが安全なのか、2007年からセキュリティ情報を発信してきた私が解説します。
リスクのあるメーカーは?
まず前提として、どのようなメーカーのミニPCにセキュリティリスクがあるのか、分かりやすく解説します。
ノーブランド品
Amazonなどで売られているノーブランド、あるいは聞いたこともないような出元不明のミニPCにはセキュリティリスクがあると言わざるを得ません。
2022年には中国の無名メーカー製のミニPCでスパイウェアが発見されたことが海外のネット掲示板などで話題になったことがあります。
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中国メーカー製全般

中国には国家情報法という法律があり、国民や企業は政府の命令に従い政府の諜報活動に協力する義務を負っています。この法律の存在を主な理由として、米国や欧州主要国では中国メーカーの電子機器を政府やインフラ企業(携帯電話会社など)で使わない方針が2010年代から取られています。日本でも、携帯電話会社が中国メーカーの製品を排除する方針を打ち出しています。
ソフトバンクは現行の携帯電話の通信規格「4G」の設備について、華為技術(ファーウェイ)など中国製の基地局をなくす方針を固めた。
ソフトバンク、既存基地局もファーウェイ製排除(日本経済新聞)
特にパソコンのようにインターネットに接続する機器ではサイバー攻撃を受けるリスクがあるため注意が必要です。
自分の情報が流出するだけでなく、日本国内にあるPCを遠隔操作で操ることで日本国内の企業や役所のウェブサイトへの攻撃を行う「踏み台」にされるリスクもあります。海外からの不正なアクセスは遮断しやすいですが、国内からのアクセスは正常なアクセスもブロックしてしまう恐れがあるため、遮断しづらいです。
どこのメーカーのミニPCなら安全なのか
「ここなら絶対安全」と言い切れるものは存在しないことを前提に、記事前半で紹介したリスクが「無い」ミニPCのメーカーを紹介します。
マウスコンピューター

親会社は東証スタンダード上場のMCJです。埼玉県春日部市で創業したPCショップがルーツの会社で、PCの製造も日本国内(主に長野県)で行っています。
私も直近4年はマウスコンピューターのミニPC、CAシリーズをメインPCとして使用しており、このサイトの制作もこのPCで行っています。
関連記事:Mouse CAシリーズの実機レビュー

ツクモ(ヤマダ電機)

元々は秋葉原のPCショップで、現在も秋葉原に大きな店舗を構えています(AKB劇場が入るドンキの隣など) 現在はヤマダ電機のブランドとなっており、PCの製造も国内で行っています。
ノートPC向けのCPUを採用するミニPCが多い中、ツクモのMSシリーズはデスクトップPC用のCPUを採用しており性能あたりの価格が安いです。また、私も実家用に購入して使っていますが静音性も高く、静かなPCです。
関連記事:ツクモMSの実機レビュー
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