IntelでもAMDでもない、SnapdragonというCPUを搭載したミニPCが登場しています。従来のものと何が違って、どのような利点・欠点があるのか解説した上で、採用モデルを一覧で紹介します。

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Snapdragonとは

米国のクアルコムという半導体メーカーの製品です。SnapdragonシリーズはAndroidスマホで広く採用されており、CPUなどスマホを動かすために必要な基幹部品が一体となったSoCと呼ばれるチップのセットに強みのあるメーカーです。スマホのCPUでは3割のシェアを誇ります。

SnapdragonはARMというイギリスの会社が書いた「設計図」を元にしています。世界中のスマホの99%近くにARMの技術が採用されていると言われています。ちなみにARMはソフトバンクグループが大株主です。

スマホやタブレットに強いSnapdragonですが、近年はPC向けにも進出しており一部のミニPCにも採用されています。

Snapdragon採用ミニPCのメリットは

低消費電力

電池持ちが重視されるスマホ向けの採用実績が多いということもあり、Snapdragonは消費電力が小さいです。コンセントから電源を取れるミニPCではあまりメリットになりませんが、ノートPCでは満充電で20時間以上使えるものもあります。

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発熱が少ない

CPUから発生する熱は、エネルギーのロスにより発生します。消費電力が小さいということで、発熱も少ないとされています。ミニPCは本体が小さいため排熱性を気にする方がいますが、Snapdragonでは発熱が少ないので排熱に不安を感じる方に最適と言えます(一般的なIntel、AMDでも4年以上ハードに使っても問題は無いですが)

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Snapdragon採用ミニPCのデメリットは

一部のソフトや周辺機器が使えない

Snapdragon搭載のミニPCではWindowsの「ARM版」が使用されています。多くのWindows用のソフトや周辺機器をそのまま使うことが出来ますが、一部使えないものがある点に注意が必要です。

多くのソフトや周辺機器はそのまま使うことが出来ますが、一部動かないものがあります。また、「ARM版」に対応していないソフトは動作が少し遅くなる場合もあります。

ネットとメールを見るだけのライトな家庭用PCでは問題にならないと思いますが、ゲームをプレイしようとした時に正常に動作しない可能性や、業務用PCとして使う場合は必要なソフトが使えないリスクがあります。業務用やゲームをインストールしてプレイする場合はIntelかAMDを推奨します。

ヘビーなゲームのプレイには向かない

Snapdragon採用かつグラフィックボード内蔵or外付け可能のPCが見当たらない状況です。グラボを必要とするヘビーな3Dゲームをプレイするには「向かない」と言えます。

そもそもゲームが起動しないリスクもあるため、その点でもゲーマーの方にはSnapdragonはおすすめしません。

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Snapdragon採用ミニPCの一覧

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Lenovo ThinkCentre neo 50q Tiny

世界最大手のPCメーカー、中国レノボのミニPCです。Snapdragon X X1-26-100を搭載しており、Passmarkスコアは16800程度なのでCPUの処理性能としてはIntelのCore i3やAMDのRyzen3か5程度のスペックです。

AI処理性能に優れており、WindowsのAI機能であるCopilot+ PCに対応しています。Copilot+ PCとしてはレノボのラインナップの中でもかなり安価な価格設定です。