AMD社のCPU「Ryzen」シリーズを搭載したミニPCが増えています。これまで主流だったIntelと何が違うのか、実際にRyzen搭載のミニPCを4年以上使用している私がメリット・デメリットを解説します(このサイトも直近4年はRyzen搭載のミニPC、マウスCAシリーズで制作)
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AMDのRyzenとは?

Ryzenはアメリカの半導体企業、AMD社がパソコン向けに展開しているCPUです。これまでパソコン向けのCPUは同じく米国のインテル社が大きなシェアを握っており、シェア8割以上を握っていた時期が長らく続きました。しかし2017年頃からインテルのシェアは縮小し、現在はAMDが2割以上のシェアを握っていると言われています。
AMDのシェア拡大の大きな原動力となったのが、2017年に登場したRyzenシリーズです。どのようなメリット・デメリットがあるのか、実際に4年以上使用している私が解説します。
Ryzenのメリット
価格が安い傾向
IntelのCoreシリーズと比較し、同程度の性能で揃えて見たときの価格が安いのがRyzenシリーズのメリットです。インテル、AMDともラインナップしているレノボのThinkCentre neoシリーズで比較すると、Ryzen採用モデルの方がIntel Coreモデルより9千円安い場合もあります(同程度の構成で揃えた場合)
逆にサイコムだとインテルの方が安い場合もあるので一概には言えないものの、Ryzenのメリットとして登場当初からよく挙がるメリットです。
映像処理性能(グラフィックス)が高い

↑当サイトの制作環境です(Ryzen搭載のマウスCAシリーズ)
Ryzenシリーズは映像処理性能に定評があります。
映像処理性能は3Dを使用したゲームをプレイする時に肝心なポイントとなりますが、例えばGoogle earthのように映像処理を多く必要とするWebサイトやソフトを使う時にも重要な要素です。
具体的に、Passmarkのベンチマークスコアで比較してみましょう。
| 3Dベンチマークスコア | |
|---|---|
| インテル core i5-14400 | 1583 |
| Ryzen 5 8600G | 5815 |
インテルCoreシリーズの3Dベンチマークスコアは2000以下のものが多いですが、RyzenではノートPC向けでも2000を超えるものが多いです。逆に言えば2000以下のスコアでも、ゲームをプレイしなければ一般家庭用のPCとしては「十分」な性能と言えますが、Ryzenの方がWebサイトやソフトがより快適に動く傾向にあるというわけです。
2023年に登場したインテルのCore Ultraシリーズは、これまでのインテルCoreシリーズが弱かったグラフィックス性能を強化しており、Ryzen並のグラフィックス性能を持っているCPUが多いです。従来からあるインテルCoreシリーズと、Ryzenシリーズを比較すると傾向としてRyzenの方がグラフィックス性能が高いと言えます。
出来ることはIntel Coreシリーズと同じ

Ryzenに出来ることはIntel Coreシリーズにも出来るし、Intel Coreシリーズに出来ることはRyzenでも出来ます。
4年以上メインPCとしてRyzenを使用し、更に持ち運び用のノートPCでもRyzenを使用していますが互換性の面で困ったことは一度もありません。サイト作成のためにPhotoshopなどのソフトも日常的に使用しますが、ソフトが使えなくて困った経験は無いです。なお、直前まで使用していたのはIntel Core採用のデスクトップPCです。以前のIntelのPCで使用していたソフトは全て、RyzenのミニPCに引き継いで使用することが出来ています。
また、Ryzenの耐久性が低いといった話は聞いたことがありませんし、私も丸4年にわたり毎日10時間・週6で使い続けて壊れていないので実感としても問題無いと感じます。
Ryzenではありませんが、スマホでよく使われている基盤技術「ARM」を採用したCPUを搭載したノートPCが近年登場しています。ARM系のCPU(Snapdragon)を採用したPC向けの「Windows ARM版」では、通常のIntel CoreやRyzenで使えるソフトや周辺機器の一部が動作しない場合があります。Ryzenではこのような懸念は原則としてありません。
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Ryzenのデメリット
採用PCが少ない

↑サブPCもRyzenを選びました
Intelの方がマーケットシェアが高く、今もインテルを採用したPCの方が豊富にラインナップされています。Ryzenを採用していないPCがやや少なく、選択肢として選びづらい点はデメリットと言えるでしょう。
とはいえミニPCではRyzenを採用する例が多く、ノートPCやデスクトップPCと比較するとRyzenを選びやすい環境にあります。
ミニPCの比較なら
ミニPCの一覧比較表ではRyzen搭載モデルも含め、見やすい一覧比較表で各社のミニPCを比較できます。実機レビューも多数掲載しているので、ミニPCえらびの参考にしてください。






