パソコンのセキュリティ対策といえばウイルス対策が真っ先に思い浮かびますが、ミニPCではPC本体の盗難にも注意が必要です。盗難リスクへの対策方法をまとめます。

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ミニPCにも盗難リスクがある

空き巣の獲物に

ミニPCは普及率が低く、その盗難事例が日本のメディアで話題になった事例はまだありませんがノートPCやタブレット端末は空き巣が狙う「金目のもの」の定番の一つです。

ノートPCやタブレットは持ち運びが容易で、かつ換金性が高い商品であるため空き巣が狙うモノの定番の一つと言われています。過去に歌手の平井堅さんや高須クリニック院長の高須克弥氏などが自宅などで空き巣被害に遭い、ノートPCを盗まれた事例が報道されています。

空き巣はリュックに入る程度のサイズ感のものを狙うことが多いため、大きなデスクトップPCは被害に遭いづらいですがミニPCはリュックにも簡単に入るサイズ感であるため、空き巣に狙われるリスクがあります。

事務所や店舗での盗難リスク

事務所や店舗など、不特定多数の人が出入りする場所でもミニPCが盗難に遭うリスクを想定し、対策する必要があります。

店舗などで発注やバイトのシフト管理を行うストアコンピューターとして使用されているノートPCが盗難に遭う事例は企業のプレスリリースなどでも時折見かけます。ミニPCはノートPCよりも「取り外し」に時間が掛かるためノートPCと比較すれば盗難リスクは低いものの、カバンに入れて容易に持ち出せるサイズ感なので盗難リスクには警戒が必要です。

ミニPCの盗難対策実践編

ミニPCの盗難被害を防ぐ対策を解説します。

VESAマウントでモニター背面に取り付ける

多くのミニPCはVESAマウントを利用することでモニターの背面に取り付けることが出来ます。

モニター背面に取り付けることで、ミニPC本体が「見えなく」なります。PC本体が見えなくなることで「モニター一体型PC」のように見え、持ち出しが難しいと判断されるため盗難リスクの軽減に繋がります。液晶モニター、あるいはモニター一体型PCのように大きなものは空き巣に盗まれにくいです。

空き巣の滞在時間は長くても10分程度と言われています。盗む物を瞬時に判断し、見つけていく必要があるため液晶モニターの背面まで見る余裕はありません。また仮に液晶モニターの背面を見られ、ミニPC本体を発見されてしまっても、液晶モニターに取り付けられている上、配線が数本接続されていることで取り外しが面倒そうだ、と思わせることができます。

ワイヤーなどで固定する

一部のミニPCはセキュリティ用のワイヤーホールが設けられています。専用のワイヤーで机あるいは液晶モニターと繋げることで物理的に移動できないようにすることが出来ます。

事務所や店舗など、不特定多数の人の出入りがある場所でおすすめの対策です。一般住宅では「そこまでやる必要は無い」と思います。

盗まれた時のための対策

ログインパスワードを適切に設定する

パソコンを起動した際のパスワード入力を適切に機能させることで、パソコンを盗難された際の個人情報流出リスクを軽減します。

最近のWindowsは初期設定であれば起動時にパスワード入力が必須とされていますが、面倒だからとパスワード入力不要に設定変更したり、あるいはパスワードを忘れないように付箋に書いてモニターに貼ったり、あるいはパソコンをつけっぱなしにしてパスワード入力不要な状態で放置しているユーザーも少なくないでしょう。

盗難時のリスクを考え、適切なパスワード運用を行うよう心がけてください。

デバイスの暗号化

Windowsの標準の機能で、デバイスを「暗号化」することが出来ます。この機能を使えばパソコンを盗難されハードディスクを抜き取られても、暗号化した際のパスワードが分からなければハードディスク内のデータを解読することが困難となります。

暗号化されていない場合、パソコン内部のハードディスクを抜き取って他のPCに接続すればパスワード入力無しにデータを自由に読み取ることが出来てしまいます。私が高校生の時にパソコンを自作してヤフオクで販売していた後輩がいました。その後輩が先生から動かなくなったPCの修理を依頼され、何を思ったか彼はハードディスク内のデータを抜き取って先生とその恋人とのメールを紙に印刷して教室や生徒会室で回覧するという事件がありました。

話が逸れましたが、Windows10・11には標準でこの機能があるので、専用のソフトも必要ありません。作業は簡単ですしPCの動作が重くなるなど日常使用時のデメリットは無いのでおすすめの対策です。

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