ビジネス用途で実際にミニPCを使って3年が経過した私が、ビジネス用途でミニPCを使うメリット・デメリットを解説します。なお、このサイトもミニPC(マウスCAシリーズ)で作成しています。

関連記事:ミニPCの比較表

仕事でミニPCを使うメリット

ノートPC並以上にサクサク使える

ミニPCはデスクトップPC用、もしくはノートPC用のCPUを搭載。本体は小さいですが、少なくとも一般的なノートPC並以上にはサクサク動きます。性能は一般的なデスクトップ・ノートPCと同様に価格に比例するため一概には言えませんが、かなり高性能なミニPCもあり、業務の効率を向上させます。

本体が小さいため熱がこもりやすく「熱暴走」を起こすのではないかと懸念を持つ人もいます。私が普段使用しているマウスCAシリーズは本体が熱を持つのは事実ですが、生成AIの処理(画像生成や画像拡大)をしながらCPU使用率100%で30分、1時間と連続で使ってもネットサーフィンや画像編集(Photoshop)と並行しながら作業できます。また、ツクモMSシリーズは長時間連続稼働しても本体は「ほんのり」温かくなる程度です。

当然、Microsoft Office(Word/Excel/PowerPoint等)も使えます。私は文字データだけで4MBの容量があるExcelファイルをミニPCで日常的に編集しています。

大きな画面に接続できる ノートPCより生産性アップ

ミニPCはデスクトップPCと同様に外部モニターに接続して使います。デスクトップPC用の液晶モニターは、一般的にノートPCの本体画面よりもサイズが大きいため、より大きな画面で作業することができ、生産性を向上する効果が期待できます。

また、私も普段ミニPCに液晶モニターを2枚接続し「デュアルモニター」で使用していますが、モニターを複数枚接続できるミニPCも多いです。画面が2枚あることで、片方の画面にデータを表示したまま、もう片方の画面でWordやExcelの資料を作成することができ、生産性が向上します。

また、ノートPCの画面と比較して外部接続の液晶モニターの方が画面をより遠く、そして高い位置に置かれることが多いです。これは作業姿勢としてはより理想的なポジションで、疲労感の軽減にも貢献します。その点においても、ノートPCより生産性の向上が期待できます(この点はデスクトップPCにも共通して言える点です)

デスク周りが広々 オフィスが広くなる

デスクトップPCと比較して本体が大幅に小さいため、デスク周りがスッキリします。VESAマウントを使って液晶モニター背面に取り付けると、パソコン本体に取られるスペースは「ゼロ」です。

デスクが実質「広くなる」ことで、紙の資料をひろげるスペースもより広くなります。

職場によってはデスクトップPC本体をデスク下の床の上に置くケースもありますが、ミニPCは床の上に置く必要はありません。オフィスを清掃する際の生産性(掃除しやすさ)も向上します。

持ち運びしやすい 保管も容易

日常的に持ち運ぶのであればノートPCの方が適していると言えますが、ミニPCも本体が小さいため持ち運びが比較的容易です。ミニPC本体とACアダプター(電源)はカバンやリュックにも入る大きさ・重さです。

例えば職場と自宅にそれぞれ液晶モニターとマウス・キーボードを用意しておけば、ミニPC本体とACアダプターを移動させるだけで2拠点で作業環境を変えずに作業できます。

また、予備にPCを保管したり、修理などにそなえてPC本体の箱を保管する場合があると思います。ミニPCは箱も小さいため、保管スペースを取りません。

仕事でミニPCを使うデメリット

GPU処理が必要な作業には向かない

ミニPCは本体が小さいため、グラフィックボードを追加することが基本的に出来ません。グラフィックボードは高度な映像処理を可能とするパーツで、CAD(設計に使うソフトウェア)や動画の書き出しをスムーズに行う上で重要な役割を果たします。

こうした高度な映像処理を業務の中で行う場合、ミニPCは最適な選択とは言えません。高性能なグラフィックボードを内蔵できるデスクトップPCを選ぶべきです。

私は以前、ミニPC(内蔵グラフィック)で画像生成AIを使っていたことがありますが、小さな画像を生成するのに1枚20分も掛かり、使い物になりませんでした。ウェブサイトの制作などの作業では不満を感じることは無いですが、高度なグラフィック処理を必要とするCADや動画の書き出し、あるいはAIによる画像生成をPC上で行う場合などにはミニPCは適さないと言えます。

デスクトップPCと比べてUSBポートが少ない

本体が小さいため、USBの差込口がデスクトップPCと比較して少ないです。

平均的に、ミニPC本体にはUSB差込口が4~6個付いています。これはデスクトップPCと比較すると少なく、ノートPCに近い水準なので、ノートPCで問題が無いのであればミニPCでも問題はありませんが、デスクトップPCでフルにUSBポートを使っている場合はミニPCでは不足感があると思います。USBハブを使うなどの対策が必要となるでしょう。

多くのミニPCは有線LAN/無線LAN、イヤフォン・マイクジャックなどには対応しており、その点もノートPCと同水準と言えます。

盗難されるリスク

ミニPC本体はカバンにも入る大きさであるが故、盗難されるリスクはデスクトップPCと比較して高くなります。不特定多数の人が出入りする場所で利用する場合は、ワイヤー状のセキュリティロックを利用するなどの対策が必要となる場合もあるでしょう。

空き巣やオフィス荒らしがノートPCを盗んでいく事例は珍しくありません。ミニPCにも同様に盗難されるリスクがあると言えます。

まとめ

ミニPCは一般的な事務作業用途であれば、余裕を持って対応できる性能があり、またデスクトップPCやノートPCには無いメリットがあります。

一方、CADや動画編集などヘビーなグラフィック処理が必要な作業には向かないと言えます。

当サイトではビジネス用途でも使えるミニPCを紹介しています。詳しくは以下の記事で。

ミニPCの比較表

法人・ビジネス用途におすすめのミニPC