パソコンが大幅に値下がりし、「今まで見たことが無いレベルのバーゲンセール」になっていると指摘する専門家もいます。パソコンが値下がりしている理由を解説します。
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2023年下半期、パソコンが安くなっている理由
2023年9月22日11時放送のラジオ日経第一の中で、カカクコム執行役員の鎌田剛氏がパソコンの値下がりの理由として以下のように解説していました。
需要の低下
パソコンやパソコンで使われる部品の需要が低下しています。
2020~22年はコロナ禍でリモートワークのために新しく買い求める人が急増しました。当サイトでもパソコンがよく売れましたし、姉妹サイトで紹介しているセキュリティソフトについては「飛ぶように」売れていた時期もあります。
ですがそうしたテレワーク需要も一巡しており、直近はパソコンの需要が低迷しています。2023年8月の国内出荷台数は前年同月比12%減と、5ヶ月連続で前年同月を下回って推移しています。
部品の余剰感
それに加え、半導体不足はパソコン部品に関して言えばほぼ解消しており、むしろメモリーやSSDに関しては在庫の余剰感もあることから値下がりしていると鎌田氏が指摘しています。
また、一時期さかんだった仮想通貨のマイニングの需要も一巡しており、パソコン部品の需要低下要因が複合的に積み重なっていると言える状況です。
円安によるコスト高要因はあるにせよ、在庫一層という大きな影響がコスト高を打ち消している状況です。
インテルの新CPU発売を控えている
インテルが新しいCPU、Meteor Lakeを発売します。Meteor Lakeはこれまでの「Core i」シリーズから大きく進化したCPUで、「Core Ultra」として23年12月に発売予定です。
インテルはこの新しいCore Ultraについて「過去40年間で最大のアーキテクチャ転換」と表現しており、これまでのCPUとは一線を画す大きな進歩となることが期待されています。
そうした「新製品」の発表を控える中で、パソコンメーカーは在庫一掃を兼ねて現行品を「早く売り切りたい」と考えているようです。
「今まで見たことが無いレベルのバーゲンセール」に
22年末から4割値下がりした商品も
カカクコムの鎌田氏はラジオ日経第一に出演した中で、直近のパソコンの値下がりを「今まで見たことが無いレベルのバーゲンセール」と表現しました。
例としてNECのLavieというノートパソコンについて、2022年末から23年9月にかけて4割も値下がりしたとしています。
インテル新CPUを待つ必要は無いのか?
一般的な家庭用途であれば待つ必要は無い
値下がりしているとは言え、気になるのが「40年ぶりの進化」を遂げたとする新CPU(Core Ultra)の動向です。パソコンは一度購入すると5年以上使うことが多いものです。買ってすぐに革新的に良いものが出てしまうと長期間にわたりストレスが続きます。
結論としては、家庭で「ふつうに使う」パソコンであればこの新CPUを待つ必要はありません(ネットや動画鑑賞、メールの送受信、年賀状程度のWordの編集など)
現状のCPUでも家庭で問題なくサクサク使えるため、新しいCPUのPCを購入する必要性は低いです。Core Ultraのメリットとして、消費電力が小さいことがよく紹介されていますが、持ち歩くノートPCではバッテリー持ちの向上という目に見えるメリットを享受できる一方、自宅で使う分にはそのメリットは薄いです。電気代は安くなりますが、現行のデスクトップPC(本体)でも1時間あたりの電気代は0.8円程度なので本体価格が数万円安くなった方がトータルのコストメリットとしては遥かに大きいです。
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懸念点もある
懸念点を挙げるとすれば、Core ultraは生成AIに強いとされています。
これまで高価なGPUを搭載したPCでないとAIによる画像生成や文章生成を行うことが実質出来なかった(CPUのみのPCで画像生成1枚に22分掛かる)ものが、Core UltraではCPUだけでもある程度のことが出来るようになると言われています。
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とはいえ生成AIサービスはパソコン本体の処理能力を必要としないウェブサービスも充実しているので、現行世代のPCを購入してもAI化の波に乗れなくなる心配は必要無いでしょう。また現行世代のCPUで1枚の画像を生成するのに22分掛かるわけですが、速度が10倍向上しても2分掛かります。1枚生成するのに2分掛かっていては、使い物にならないです(クラウドサービスでは5秒~10秒で生成できる)
Core Ultraでは画像処理性能の向上が謳われています。パソコンでゲームをプレイする方に関しては、Core Ultraの発売を待った方が良いかもしれません。
ミニPCも値下がり傾向に
ミニPCに関しても本体価格の下落や追加ストレージの値下がりなど、2022年以前と比べて「買いやすい」状況が見受けられます。この機会にミニPCを検討してみてはいかがでしょうか。
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