世界最大手のPCメーカーであるレノボもこっそりとミニPCを発売しています。他社製品と比較したメリット・デメリットと機種一覧を紹介します。

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レノボのミニPCのメリット

価格が安い

レノボのミニPCは国内メーカーのミニPCと比較して、同程度のスペックで揃えた時に価格が安いです。国内メーカーのミニPCと比較して1割程度安い価格で買えることが多いです(それぞれメーカー直販サイトでの販売価格)

レノボは世界最大のPCメーカーであることから、部材メーカーとの価格交渉力が強いことで仕入れコストを抑えられる点や、製造コストが安い中国で組み立てを行っていることなどが理由として挙げられます。

レノボのミニPCのデメリット

納期が国内メーカーより長い

レノボのPCは一部の短納期のPCを除いて中国で生産されており、主に輸送に時間が掛かります。国内のPCメーカーのミニPCは長野や埼玉など国内の工場で製造されており、国内の宅配便で輸送されるため工場から発送して数日後にはユーザーの手元に届きます。

例えば国内メーカーであるマウスやツクモは、過去に私が注文した際には注文から1週間未満で手元に届きました。レノボは公式サイトの「納期」としても記載があるとおり、2週間近くあるいはそれ以上掛かります。

中国メーカーの中国製

米中の対立の激化により、中国メーカー製の情報機器が米国を始めとする西側諸国から排除される傾向が強まっています。レノボに関しても米国の国防総省が使用を禁止したとの報道もあります。

単に自分自身の情報が流出することへの懸念だけでなく、自分のPCが攻撃の「踏み台」になるリスクも指摘されており慎重に検討する必要があります。

一方でレノボはIBMや富士通、NECのPC部門を買収しており多国籍に展開している企業です。IBMのPC部門の買収にあたっては米国の対米外国投資委員会の審査も通過しており、その時点では安全性は確認されていたとも言えますし、現時点で米国政府全体の調達先から外されているわけでもありません(ファーウェイなどは米国政府機関だけでなく、企業でも一部使用が禁じられている)

レノボのミニPCのスペック一覧

レノボが販売しているミニPCを一覧で比較します。

機種一覧

レノボのミニPCの機種を一覧で比較します。

ThinkCentre
M75q Tiny Gen5
ThinkCentre
Neo50q Tiny Gen4
サイズ mm36.5×182.9x179mm36.5×182.9x179mm
重量1.25Kg1.11Kg
VESAマウント非対応対応

主に2系統の機種展開があります。

M75qはVESAに非対応で、Neo50q系はVESAマウントに対応しており液晶モニターの背面への取り付けが可能です(別途、専用の「ThinkCentre Tiny サンドイッチキット」2200円が必要)

M75qの方がCPUのラインナップが豊富なので、VESAを使う必要が無いのであればM75qの方がおすすめです。関連機種としてM90qやM70qもあります。

M75qのCPU一覧

M75q、M90q、M70qで選べるCPUを一覧にまとめます(記事執筆時点で選べるCPU)

ベンチスコア備考
Intel 300T7224M70q
Ryzen3 PRO 8300GE14753M75q
Ryzen5 PRO 5650GE18332M75q
Ryzen7 PRO 5750GE21848M75q
Ryzen5 PRO 8500GE22022M75q
i5-14500T24157M90q
Ryzen7 PRO 8700GE28334M75q
i7-1470042674M90q

一般家庭でネットやメール、動画鑑賞に使うのであればベンチスコア15000前後で十分サクサク快適に使えます。レノボのミニPCはメモリーが標準では8GBの機種が多いので、CPUに過度にお金を掛けるよりもメモリーを16GB以上にすることをおすすめします(家庭用なら16GB、仕事にも使うなら32GB)

Neo50q TinyのCPU一覧

ベンチスコア備考
i3-1215U10829
i5-13420H18312

ゲームや動画編集をしない家庭用PCであればベンチスコアは1万台前半は最適といえます。

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